活用事例

戦略的ものづくり短期研究開発事業「ガラスの強化方法の検討」

monoken_garasukyouka.jpg 携帯電話やPDA等のタッチパネルの普及に伴い、市場ではディスプレイに使用する薄板ガラス材に対し、薄型化と高い強度が要求されるようになってきています。
 一般的な自動車や建築資材、食器等の大型ガラス材の強化方法は安価で処理時間の短い熱処理法によって行われています。しかし、この方法では厚さ3mm以下の薄板ガラス材を強化することはできません。そのため、熱処理法以外で行わなければなりませんが、他の方法では処理時間を要しコスト高になることから一般的に行われておらず、十分な検討がされていませんでした。
 そこで(株)吉城光科学様では、当所の「戦略的ものづくり短期研究開発事業」を活用されて、薄板ガラス材の化学強化による手法の検討を行うこととしました。
 その結果、曲げ試験において未処理時と比べ高強度を得ることが確認できました。今後は、求められるデザインに対応できるように、様々な形状に加工した薄板ガラス材の強化への取り組みが期待されます。

拡散容器における機能性膜の支持体用織物の開発

kinouseimaku_shijitai.jpg 免疫隔離膜と呼ばれる機能性膜の素材の一つにシリコーン薄膜があります。この膜には物質の透過に選択性を持たせるため孔径を制御した多数の孔が空いています。用途としては人工膵臓のような拡散容器の機能性膜としての利用があげられますが、このシリコーン薄膜を用いるには、孔径の安定と膜強度の保持のため何らかの支持体が必要になります。
 H19~20年度、ハイテクプラザ福島技術支援センターでは富士システムズ株式会社様と共にこの拡散容器の開発に取り組みました。具体的には、福島技術支援センター独自の糸加工技術と産地の薄地製織技術を活かしたシルク支持体織物を作成し、成膜を行うことで15μmを切る厚さの機能性膜を作成することができました。(参考:試験研究概要集( 平成19、20年度版)、試験研究報告書( 平成19、20年度版))
 現在共同研究者側にて動物実験等の評価試験が予定されており、従来の繊維産業の枠を超えた発展が期待されています。

戦略的ものづくり短期研究開発事業「青ひび向け加飾クレヨンの開発」

 手びねり成形を行う陶芸教室は、大堀相馬焼の産地にとって大切な仕事になっています。 しかし、陶磁器への「絵付け」を行う陶芸教室は、多くの要望を受けながらも、あまり多くはありませんでした。
 筆で陶磁器に絵を描くには高度な技術と経験が必要となります。また大堀相馬焼独特の釉薬が一般の絵具とは相性が悪く、きれいな発色を難しくしています。このようなことから、陶芸教室で「絵付け」を行うのは難しい事情がありました。
 そこで、当所の「戦略的ものづくり短期研究開発事業」(事業内容はこちらをご覧ください)を活用され、産地の釉薬と相性がよく、はじめての方々でも使いやすい筆記具をめざし、専用に絵付け用クレヨンを開発することとしました。
 開発したクレヨンは、「下絵付け」用で、美しく実用的な仕上がりとなります。陶芸教室の先生や生徒さんからも大変評判がよく、描きやすく、管理しやすいクレヨンを用いることで、より多くの方に絵付けを楽しんで頂くことが期待されます。
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       「クレヨン完成品」         「下絵を施した試作品」

インターンシップによる校外実習の実施について

 福島工業高等専門学校に所属する2名の学生の方々が、いわき技術支援センターでインターンシップによる校外実習を行いました。
 1名の方は、機械工学科の4年生で、期間は平成21年8月24日から9月4日でした。テーマは工業材料を用いた精密測定技術の習得で、表面粗さと輪郭形状測定技術を中心に、引張・衝撃試験の補助も行いました。
 もう1名の方は、物質・環境システム工学専攻の1年生で、期間は平成21年8月24日から9月11日でした。テーマは工業材料における分析および解析技術の習得で、SEMやFT-IRによる分析技術を中心に、引張・衝撃試験の補助も行いました。
 また、原理や取り扱いを学んだ装置については、操作マニュアルを作成しながら実習の整理を行いました。これらのマニュアルは、企業の方が機器を使用される際にも役立てることができます。
 研修生からは、測定や分析機器の習得によるスキルアップや、企業が行う試験を体験することで貴重な経験が得られたとの感想が寄せられました。
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株式会社シラカワ二本松工場 様

株式会社シラカワ二本松工場 創業明治30 年の(株)シラカワ様とハイテクプラザとのかかわりは、平成3年に二本松工場が稼動したころから始まります。稼働当初からの二本松工場の主力製品である<釣り糸>の品質管理に、ハイテクプラザの試験機器を利用していたそうです。今では一部の機器は自社でそろえたそうですが、品質管理に必要な機器をすべてそろえるわけにはいかないので、今後もハイテクプラザにお世話になりたいとのことでした。
 シラカワ様とハイテクプラザでは、これまで5 件ほど共同研究を行っておりますが、内1 件は商品(融雪ネット用コア線)として広く販売されており、社是の<常に市場を創造する企業>のとおり、商品化の成功率としてはきわめて高いものといえます。
 今後は材料の化学的な特性や、繊維の染色などの二次加工についても勉強していきたいということでした。

  • 株式会社シラカワ二本松工場 電話0243-23-6011

斎藤産業有限会社 様

斎藤産業有限会社(イメージ)創業が江戸末期の斎藤産業(有)様は、戦争などで一時中断の時期はあったものの、一貫して絹織物にこだわってきました。昭和30 年代、大手繊維メーカーと中小零細機織屋の系列化が進み、織機の近代化が進みました。しかし<下請け>という与えられたとおりの製品を作り出す受身の体質が技術力の低下を招きました。このことの重大さに気づいた社長は系列を離れ独自の道を歩むことを決断されました。独自に糸を調達し、自社で織機りし、販売も始めたのです。
 当時の最新鋭の織機とはいえ、現在のそれとは異なり、職人による微妙な調整が不可欠であり、この良し悪しによって、織られた生地の風合いが大きく変わってしまうのだそうです。そこで、このころ川俣町にあった繊維工業試験場に出向き、機織りの相談・織機の調整などいろいろ支援をいただいたとのことです。これがハイテクプラザとの最初の出会いでした。現在のハイテクプラザに期待しているのは布の2 次加工技術とのことです。
 斎藤産業(有)様は日々染色・精錬など、新たな風合いを布に与えて新商品の開発をめざしていらっしゃいます。これまで、いろいろな商品開発を手がけ、販売にまでこぎつけたのは5~6割だとおっしゃる社長の座右の銘は『我慢強く・粘り強く』とのことです。

  • 斎藤産業有限会社 電話024-565-2675

磐梯酒造株式会社 様

磐梯酒造(イメージ)宝の山、磐梯山のふもと磐梯町に創業百十余年の造り酒屋「磐梯酒造」があります。ある日社長の桑原さんのもとへ、地元の米農家が『古代米』と呼ばれる黒い米を持ち込んできました。「これで日本酒ができないだろうか?」との依頼でした。それまでの常識では精製白米以外での清酒醸造は不可能と思われていたのです。
 そこで桑原氏はハイテクプラザ会津若松技術支援センター醸造・食品科に相談を持ち込みました。「酒造りの環境は、タンクの配置一つとっても蔵元によってまるで違う。それでもハイテクプラザさんは一目で、個々の事情を見抜いて的確なアドバイスを頂けるんですよ。」と桑原氏はおっしゃいます。
 黒米の色素は天然のアントシアニン系で、お酒を造ると赤い酒が出来上がります。普通の酒に色が移らない為の様々な工夫や色素由来の匂いの問題、また、鮮やかな紅色を出す手法などについて、ハイテクプラザとの研究開発の結果、商品化に成功したのです。「福島のお酒を全体としてブランド化するなどして、アクティブに情報を発信していきたいですね。そういった面でもこれからも手助けをしていただけるとありがたいです。」桑原さんは,ハイテクプラザの支援に大きな期待を持たれていらっしゃいました。

  • 磐梯酒造株式会社 電話0242-73-2002

最終更新日 2010.03.04 11:18